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 2005年の最終戦、中国GPのレースが終わった夕暮れの上海サーキットに、エンジン音が鳴り響いた。呻くようなそのエキゾーストノートは、何度も、不規則にその声色を変える。ん? これ、『WE ARE THE CHAMPIONS』だ! そう、ルノー・チームはチームタイトル獲得の記念に、F1マシンのエンジン音でQUEENの有名なあの曲を奏でてくれたのだ。

見られない方はこちらから→You Tube(http://jp.youtube.com/watch?v=8aArSn4IhHI

003STORY-02.jpgエンジンというのは回転数によって音程が変わる。回転数が高くなればなるほど、エンジン内の爆発と爆発の間隔が短くなり、よって音の波の間隔が短くなり、すなわち周波数が高くなって音程が高くなるというわけだ。それを利用して、エンジン音がメロディになるように、コンピュータで回転数をプログラミングしてエンジンを鳴らしたのだ。

普段はチーム関係者以外は絶対に立ち入らせることのないピットガレージの中に、ほかチームスタッフやジャーナリストなどを呼んで、むき出しのエンジンをお披露目。そして1年間の長い戦いをともに締めくくるべく、エンジンの“演奏”を披露するという、新チャンピオンチームの粋な計らいだった。(※)

003STORY-01.jpgところでなぜ『WE ARE THE CHAMPIONS』なのかというと、これにはバックストーリーがある。中国GPからさかのぼること2戦、ブラジルGPでは同チームのフェルナンド・アロンソが史上最年少チャンピオンの獲得を決めていた。フィニッシュラインを越えて感情が高ぶったアロンソは、無線で叫びながら、それまで苦楽をともにしたチームメンバーたちのためにこの『WE ARE THE CHAMPIONS』を歌った。と、ここまでは感動的なストーリーですらあるのだが、このアロンソの歌が悲しいまでにヘタだった。しかも間の悪いことに、この歌声がTVの電波に乗って全世界に流れてしまった。

 

003STORY-03.jpg「おいフェルナンド、『WE ARE THE CHAMPIONS』ってのはこういう歌なんだぜ」とでも言うような、チームスタッフたちからの、F1エンジンという最先端の技術を使ったまさに正確無比なメロディのお返しだったとさ。

 

 

 

(text by Mineoki YONEYA / photographs by Renault)

※このときのガレージ内の様子を撮影した写真も別途購入可能

 

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